レーティングとは?
プレーヤーの実力を数値化
レーティングとは、プレーヤーの実力を数値化したシステムです。数値化には統計学が用いられ、段、級、勝率よりも正確に実力を表すことができます。自身もチェスプレーヤーだったArpad Elo博士によって考案され、1960年にUSCF(アメリカ合衆国チェス連盟)で用いられて成功し、1970年からFIDE(国際チェス連盟)で採用され、世界中に普及しました。
レーティングの長所
勝率でプレーヤーの実力を表すことは一般的ですが、これでは弱い相手とやった方が強いことになりかねません。たとえば強い相手に40%勝った人と、弱い相手に60%勝った人が二人いるとしましょう。この二人を比べるとき、60%勝った人が40%より強いと考えるのは公平と言えません。つまり、勝率は実態を反映しません。
しかし、レーティングなら実態に近い数値が得られます。
たとえば、二人のレーティング差が 0 であれば、勝率50%を期待できますし、100点上のプレーヤーなら約64%の勝率、200点上なら約 76%の勝率です。統計学的に勝率が計算できるので、レーティングが上の方がより強いといえます。このようにレーティングは勝率より確かに評価できる数値なのです。レーティングが信頼できるのは、統計学がバックにあるからです。
現在、レーティングシステムは チェスはもちろん、他のゲームやスポーツにも広く採用され、その優秀性を証明しています。理論的に18局以上であれば客観的な実力を測るひとつの指標となります。
レーティング過信の危険性
どんなに優秀なシステムにも短所はあります。レーティングシステムも例外ではありません。制度を悪用して嘘のレーティングを作ることも可能なため、レーティング制度の過信は禁物です。
レーティング管理の必要性
レーティングシステムを採用する団体は、常にその危険性を知った上での運営が求められています。継続的で公正なレーティング運営と厳正な管理が必要であることをご理解ください。日本チェス連盟では、レーティング部スタッフが公正な運営に努めています。
日本チェス連盟が国内レーティングを毎月更新
日本国内では JCAに代わり、2019年2月から、日本チェス連盟が国内のレーティングを算出しています。日本チェス連盟はおおよそ FIDE と同じ方法で計算し、毎月の更新をしています。
レーティング・アップが目標
日本チェス連盟に入会し、公式戦に参加してください。参加することで国内レーティングを得ることができます。チェスプレーヤーたちの多くはレーティング・アップが目標です。その増減がチェスを続ける励みになります。日本チェス連盟では4局以上対局した方には全員にレーティングをつけます。また、18局以上対局した方について全日本選手権へのシード権のためのレーティング上位20位までの選出や日本代表の選考の際の資格審査対象とします。
世界で一番権威をもつチェスのレーティングは FIDEレーティングです。日本チェス連盟では FIDE レーティング取得を奨励します。できれば FIDE 公式戦にも参加しましょう。日本チェス連盟に入会すれば、容易に FIDEレーティングを得ることができます。
レーティング報告について
報告の方法
日本チェス連盟公認大会(例会)報告には「報告用ファイル」を使用してください
次のa, b, cを、大会(例会)ごとに報告してください。
- a) 実施大会(例会)名称、日時、場所、責任者名、スタンダードかラピッドか
- b) 参加者表(ローマ字氏名、日本チェス連盟ID)
- c) 試合結果(白番ローマ字氏名、結果 、黒番ローマ字氏名)
ローマ字氏名は「会員名簿」を参照し、姓・名順で記入してください
報告先のメールアドレス:japanchess.rating@gmail.com
諸注意など
日本チェス連盟では、前月21日から当月20日までの報告を計算し、翌月1日に発表します。
Swiss-Managerの使用を推奨しています。その場合はメールで大会(例会)名とChess.Resultsのリンクをご報告ください。
レーティング規程
さらに詳しい規則、計算方法は「日本チェス連盟レーティング規程」をご覧ください。