日本チェス連盟レーティング規程

日本チェス連盟レーティング規程

1.国内レーティングの目的

(1) 国内の大会に参加するプレーヤーの試合成績を適切に数値化する
(2) 国内戦のスタート順位決定、国内タイトル授与、選手選考等の資料とする
(3) 日本チェス連盟(以下「連盟」という)はスタンダード*とラピッド*の2種類のレーティングを発行する

2.連盟公認について

(1) 報告される大会および例会は、連盟あるいは連盟公認クラブが主催し、連盟年会員が公正に運営しなければならない
(2) 報告される大会および例会の参加者は(1大会会員含む)連盟会員でなければいけない
(3) FIDE公式戦を行う場合は、FIDEの規約に沿って行わなければならない。また、開催日から 2ヶ月以前に連盟へ通知すること

3.算入期間について

(1) 主催者は大会および例会終了後、連盟へ結果報告をする。FIDE公式戦は、上記の報告とは別に、定められたTXTファイルを連盟へ提出しなくてはならない
(2) 報告者はクラブ代表か代表が認めた連盟会員であるものとする
(3) 毎月21日から翌月の20日までを翌月の算入期間とする。連盟は算入期間ごとにレーティングを計算し、翌々月の1日に発表することを原則とする(例えば、1月21日から2月20日までの結果報告を計算し、3月1日に3月レーティングとして発表する)
(4) 参加者の会費の支払いがない場合、結果報告を算入しないことがある
(5) ゲームが行われてから90日を過ぎた報告について、結果報告を算入しないことがある
(6) 発表されたレーティングが正しくない場合、連盟は訂正して発表し直す。ただし、問合せを受けた日から90日以前に発表されたレーティングは訂正しない

4.報告の方法

(1) 結果報告は、次の a、b、cを報告するものとする。報告には連盟が用意した報告用ファイルを利用すること
a) 大会(例会)名、日時、場所、責任者名、スタンダードかラピッドの種目名
b) 参加者の連盟のID、ローマ字氏名
c) 試合結果(白番ローマ字氏名、結果 、黒番ローマ字氏名)
(2) ペアリングソフト Swiss-Manager を使用した場合、Chess-Results.com にアップロードし、連盟にその旨を通知することで (1)の報告に代えることができる
(3) FIDEと同様に、氏名はローマ字で姓・名の順とし、間のコンマは省略する
(4) 報告は、 japanchess.rating@gmail.com へのメールで行う
(5) 公式戦初参加者あるいはIDの無い者に対してはその参加者の漢字氏名、生年月日、メールアドレス(できれば他の会員情報すべて)を添えること
(6) スタンダードは1人の持ち時間が60手のとき合計60分以上のゲームであるが、FIDE公式戦でなければ45分以上のゲームをスタンダードとして報告しても構わない(例えば15分+30秒/手はスタンダードとして報告してよい)
(7) 種目名の記載がない場合、スタンダードの報告として計算する
(8) 全日本選手権の地区予選の場合は、全国シード権者、地元枠全国シード権者の報告を添えること

5.レーティングの計算方法

(1) 1局ごとに、C = (R – PD) * K によって増減C(change)を計算する
・ Rは結果(result)であり、勝ちの場合は1、引き分けの場合は0.5、負けの場合は0とする
・ Kは変動係数 (development coefficient)。これが大きいほどレーティングは大きく変動する。通常はK=20とする。UR(Unrated Player)かつ累積局数18局未満、あるいは18歳未満かつ2300未満はK=40とする。一度でもレーティング 2400以上となった者はK=10とする。スタンダードのKとラピッドのKは同じと考える
・ Kの値について、年齢は1月1日の年齢でその後1年間のKを判断するものとする
・ PDは結果の期待値(scoring probability )を表し、互いのレーティング差より下表のHまたはLから与えられる(表1を参照)
・ 例えば、K=20のAさん1600と、Bさん1800が対戦したとする。Rtg Dif(レーティング差)は、200であり、表1からH=0.76、L=0.24となる。AさんはBさんより低いのでPD=L=0.24を採用する。Aさんの増減Cは、Aさんが勝てば C=(1 – 0.24) * 20 より C=15.2となり、負ければ C=(0-0.24) * 20 より C= -4.8 となる
(2) レーティングに算入期間内の増減Cを合計し、(正負いずれでも)四捨五入して整数とした上で旧レーティングに加え、新レーティングとする。また、不戦勝・不戦敗の場合はレーティング計算を行わない
(3) 不戦勝・不戦敗、あるいはURどうしの対戦は累積対局数0として計算に入れない
(4) レーティング が400差以上はすべて400差として計算する
(5) 国内レーティングの下限は400とする

6.レーティングがない者の扱い

(1) 国内スタンダードレーティング、国内ラピッドレーティングのいずれかがない場合は既に保有している方のレーティングを引き継ぐ
(2) (1)でレーティングが決まらない者は①FIDEスタンダード、②FIDEラピッド、③FIDEブリッツの順でFIDEのレーティングを引き継ぐ
(3) 上記(1)~(2)でレーティングが決まらない者をUR(Unrated Player)と呼び、レーティングは0とする。URはゲーム数が4局以上で初レーティングを算出する。最初の18局までK=40とする。18局を越えないレーティングと国内ラピッドレーティングは資格審査に使用しない
(4) 上記(3)の計算においてURの初レーティングは、FIDEのCalculatorで計算した値とする。この際、対戦相手がURであってもそのレーティングを1000と仮定して計算する

7.その他

(1) 連盟とその公認クラブは個人情報の扱いについて最大限の注意を払わなければならない
(2) 本規程にない事案は、FIDE規程(FIDE rating regulations)に沿い、連盟のレーティング部が協議して進める
(3) 本規程の改定は、連盟理事会の承認をもって行う
2019年 2月 5日発行
2019年 5月11日改定( 6月 1日から施行)
2019年 8月31日改定( 9月 1日から施行)
2020年 3月31日改定( 5月 1日から施行)
2021年 1月31日改定( 2月 1日から施行)
2022年 8月31日改定( 9月 1日から施行)
2023年 8月1日改定( 8月1日から施行)
表1

From FIDE レーティング Regulations

表2
*スタンダード:1人の持ち時間が60手のとき合計60分以上
*ラピッド:1人の持ち時間が60手のとき合計10分より上、かつ60手60分未満
*ブリッツ:1人の持ち時間が60手のとき合計10分以下
(FIDE公式戦でなければ45分以上のゲームをスタンダードとしても構わない→4(6)参照)

リンク

レーティング規程(PDF)