第二回 チェスの持ち時間と基本用語をやさしく解説

前回の記事では、ルールを覚えたあとにまず取り組むべきステップを紹介しました。
アプリで練習を重ねて、いざオンライン対局に挑戦しようとして、「ラピッド」「ブリッツ」といった見慣れない言葉に出会った方も多いでしょう。

これらはチェスの対局に欠かせない「持ち時間」のルールを指しています。それぞれの特徴を理解して、自分に合っている持ち時間を探してみましょう。

持ち時間とは?

チェスの公式戦では、プレーヤーの思考時間を管理するために「チェスクロック」という専用の時計を使います。
自分の手番になると自分側の時計が動き、指し手を完了してボタンを押すと相手の時計が動き始める仕組みです。

持ち時間を使い切ってしまうと、どれだけ有利な局面でも基本的には「時間切れ負け」になります。
※ただし、相手がどう指しても詰ませられない状況など、特殊なケースでは引き分けになることもあります。

オンライン対局でも同じで、画面上に残り時間が表示されます。
この時間設定があることで、チェスはさらに緊張感とスピード感のあるゲームになります。

主な持ち時間の種類

チェスの持ち時間はさまざまですが、大きく4つのカテゴリーに分けられます。

  • スタンダード / クラシカル
    1時間以上の長時間対局。公式大会でもよく使われ、一手一手をじっくり考えられます。

  • ラピッド
    10〜60分の対局。時間は十分ありつつも長すぎないので、初めて対人戦をする方におすすめです。

  • ブリッツ
    3〜10分の「早指し」対局。テンポよく進むスリリングな展開が魅力ですが、慣れないうちは時間がすぐなくなりがちです。

  • ブレット
    3分未満の「超早指し」。1分対局などもあり、直感と反射神経の勝負。上級者向けのスタイルです。

「+2」とは?

「10+5」や「3+2」といった表記を見かけることがあります。
これは「基本の持ち時間 + 1手ごとの追加時間(インクリメント)」を意味します。

たとえば「3+2」の場合、持ち時間は最初に3分あり、さらに1手指すごとに2秒ずつ加算されます。
この仕組みがあると、終盤で勝ちが見えているのに「残り時間ゼロで負け…」という悲しい事態を防ぐことができます。

チェス用語集

  • リザイン(投了)

対局中に自分が勝つ見込みがないと判断したときに、自ら敗北を認めてゲームを終えること。通常は、キングを横に倒す・「負けました」と宣言する・記録用紙に記すなどの行為で意思表示します。

  • ドロー(引き分け)

勝敗がつかず引き分けになること。ステイルメイト(キングがチェックされておらず、かつ合法手がないとき)の他に、同じ局面が3回出現した時や、50手連続で駒の捕獲やポーンの前進が行われなかったとき、または両者の同意によって成立します。

  • OTB (Over the Board)
    実際に盤を挟んで対面で対局すること。日本チェス連盟の大会やチェスクラブでの対局はすべてOTBにあたります。オンラインとは違った緊張感や楽しさがあります。

  • レーティング
    プレーヤーの強さを表す数値。勝敗によって変動し、オンラインでは近いレーティングの相手と自動でマッチングされます。

 

これで基本のチェス用語はバッチリです!
自分に合った持ち時間を選んで、オンライン対局の世界に飛び込んでみましょう。

そして対局を重ね、「もっと強くなりたい」と思ったら、次の記事もぜひチェックしてください。

 

第三回 Chess.comで強くなる!